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2007年11月26日 11:07

強気相場は総悲観の中で生まれるもの (水流子)

[V作戦][水流子] 

 
▽・・・底値を形成するために必要な最低限の日柄は通過した。前週の安値が納得できる下値に一歩届かなかったのは残念だが、物事はそう理想通りに運ぶものではない。あとは日柄面での十分条件が解決してくれるはずで、今週から来週中盤に至る経過を見れば、底値圏到達との認識がさらにはっきりしてくるのではないか。外部環境の極端に悪かった20日の日経平均日足が化け線に、同じく22日がこれに似た差し込み線になったあたりは、ここまで相場を主導してきた先物の売り方勢力に、地殻変動が起こり始めた兆候と見ることも可能だろう。

もちろん相場は、想定を越えたところで動くのが常。必ずしも読み筋通りに行くとは限らないが、需給の崩れは株価の実態価値を根底から壊すものではない。異常な安値水準に沈んだ現在の株価が正常に復するのは、もはや時間の問題と見ておくのが現局面での的を射た判断である。個人投資家が動くのは反騰相場入りが確認されてからで良いとしても、あるていど玉数のいる機関投資家なら、この段階から動かなければ運用を担う資格はないというものだ。

▽・・・ここへきて米株安が引き起こしたドル安円高への警戒感が大きな圧迫材料になっているのもおかしなこと。下期の為替レートを110ー115円に設定している輸出企業の収益に多少のマイナスが出ることは避けられまいが、過去の展開を振り返って見ると、日本株の大きな相場は、いずれも円高を伴っていたのである。円安局面での大相場など、一度も無かったのだ。

原油をはじめ穀物などの輸入価格急騰が国民生活に害を及ぼしだしている時、このていどの円高なら喜ばしい修正として受け取るべきである。仮にも証券マンなら、質の良い海外投資資金の流入をうながす要因になるとは考えないのか。円高が懸念されるなら、ここ数年、海外へ流出し続けた国内投資資金の還流の動きにも注視しなければならないと思う。欧州の三ツ星ホテルで朝食を取って1万円、ロンドンの地下鉄初乗りが千円といった実情に照らせば、多少の円高ならむしろ歓迎しておくべきである。

▽・・・一方で独走していたアジア株の動きがもろくなった。8月中旬の安値から5割強も棒上げした香港株を筆頭に、ソウル、シンガポール等の下げはかなり厳しく、このところのリズムは日本以上に良くないが、急騰し過ぎた株に反動が出るのは自然現象。むしろ8月後半以降の上げこそ問題で、現象面ではダメージを受けたヘッジファンドが失地回復すべく、値運びの軽い新興国市場に資金を振り向けた証拠と受け止めた方がいい。

決算を迎えてポジションクローズを迫られれば、このような動きになるのは予想できたはずであり、日本株にとっては対岸の火事と軽視しておくべきなのである。一部ではジャパン・パッシング(素通り)などと懸念しているが、時間的制約のある時には値運びの軽い市場に矛先を向けるのは当然であり、ババ抜きを終えればファンド資金もやがて流動性十分な市場へと回帰してこよう。

▽・・・「強気相場は総悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つ」とは、先人の言葉だ。市場ムードに逆らっていることは承知で、このところ強気論ばかり述べているが、最後にもう一つ、先の日米首脳会談で取り上げられたサブプライム問題の内容に、マスコミのメスの入らない理由は何か。

いうまでもなく報道価値観が小さいうえ、国論?を二分する「インド洋給油問題」にすべての目が奪われてしまったからに他なるまいが、いろいろ探ってみるとこの会談には大きな思惑がからんでいるようである。消息筋によると米国金融機関がアドバルーンを上げた「サブプライム関連商品受け皿基金」を磐石なものとすべく、日欧のを参加をうながして密かに政治折衝が始まっているのだという。もしこれが具体化すれば、欧米の金融不安など一気に霧散するはずであり、利下げなど足元にも及ばぬ材料になる。今回の底値は、おそらく誰も気がつかないうちに形成されているのだろう。あの時が底だったと、後で理解するのも貴重な経験になるが、売り方にとっては爆弾を抱えていることを忘れてはならない。
(水流子)


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