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2008年02月12日 11:09
市場を大切にする心 (如空)[V作戦]> [如空]
次期日銀総裁を巡る駆け引きが活発になっているようだ。ニューヨーク市場では、時に市場変動がFRB議長の手法・手腕と照らし合わせて語られる。日本の市場においても日銀総裁の手法・手腕は他人事ではないだろう。福井総裁は、日銀総裁に求められる資質として、1)通貨の安定に対する強い信念、2)国際的な鋭い感覚、3)市場を大切にする心、4)政策委員会の議論をリードできること、の4点を挙げておられる。特に市場関係者が求めたいのは、市場を大切にする心、だろう。 市場は資本主義の中枢だ。日銀総裁に関わらず、経済、産業、金融、財政などに関わる人間は、すべからく「市場を大切にする心」を持たなければならない。この点から考えると、日本の官僚の情けないほどの程度の低さが窺える。8日の当欄で、桜桃氏が「バカで、浮気で、無責任」と題する文章で、経済産業省事務次官の発言に疑問を投げかけておられる。この発言には各方面からも批判続出のようだ。 筆者も昨年7月17日に当欄で書いた「画期的ということ」で、この公務員の発言に疑問を呈した。東京高裁がスティール・パートナーズを『濫用的買収者』と認定した件について、すかさず「画期的な判断」とコメントしたことに対する疑問だ。今回の発言と合わせて考えると、この北畑という公務員には「市場を大切にする心」など微塵もないのではないかと思えてくる。この公務員、事務次官に就任したのが一昨年の夏のようなので、そろそろ退任後の天下り先が気になって、市場どころではないのかもしれんし、天下り先が決まって嬉しくてハシャいでしまったのかもしれん。いずれにしても何をしでかすか分からんような、市場のウイルスのような公務員は早く退任すべきかもしれん。 市場に対する姿勢に関しては、最近、空港施設会社に対する外資規制という問題も浮上している。これも桜桃氏が6日の当欄「空港外資規制問題に思う」で、時代に逆行するかの判断だと疑問視されている。ウソかマコトか分からないが、何でも、空港施設会社に外資が入ると官僚の天下りがやりにくくなるため、公務員がこぞって外資規制に躍起になっているという解説もある。ここまでくるとホント、情けなくなってくる。 話は公務員にとどまらない。昨日は、寸人氏が当欄で「サボるなよ、自社株買い」という文章で、自社株取得の枠を設定しながら実際に買い付けない企業に疑問を呈しておられる。自社株買いの枠設定は、買付け株数、金額の「上限」を公表するもので、その後何の行動を起こさなくてもルール違反ではないのだろう。しかし寸人氏指摘のように、明らかに「約束違反」だ。約束は企業と投資家の約束であり、市場参加者と市場との約束だ。やむを得ない事情が生じる場合も希にあるだろうが、自社株買いを発表しておいて実際には買い付けない企業経営者は「市場を大切にする心」がないと言える。自社株買うのが嫌なら、他者株買いでもやればいい。米国では株が安くなったと見るや、すかさずヤフーが買収対象となっている。 ついでに、昨年11月27日の当欄での拙筆「日経平均1万5000円」では、15年前に日経平均がバブル後初めて1万5000円を割った時の官民上げての対応振りを書いた。手法についての賛否はあるだろうが、「重大な決意で臨む」とした当時の宮沢総理の対応には「市場を大切にする心」が如実に表れていた。翻って現在。日経平均は当時よりはるか下にあるが、福田首相は「注意深く見守っていく」そうだ。要は、見てるだけで何もしないということでしょ。 日本の株が割安だと言われ続けながら、なかなか投資家が戻ってこない。理由は様々あろうが、年明け以降の米国金融当局や政治、議会、企業経営者の対応を見るにつけ、日本の株価低迷の原因の一つは「市場を大切にする心」の欠如ではないかと思えてくる。 (如空)
Posted by stock at 11:09
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