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2009年02月24日 11:08
覚悟を問う(2)―日産 塙義一氏とカルロス・ゴーン氏― (如空)[V作戦]> [如空]
前回(2月17日)より続く。
▽・・・改革を成すのは若い人間だということは、頭では分かっていても、実際にやるとなると容易ではない。若い人間の資質や気概ははもちろんだが、先輩やベテラン、重鎮の決断も不可欠だ。 ▽・・・現在、未曾有の経済危機の中で名だたる大企業が大赤字となり、各社それぞれに再生計画や改革案を打ち出している。このことに関し、少し前例を引いてみよう。崖っぷちに追い込まれた大企業が曲がりなりにも再生を果たした最近の例として、日産自動車が挙げられるだろう。日産リバイバルプランと言えばカルロス・ゴーンだが、日産再生にはゴーン以上に重要な人物が居たのかもしれない。カルロス・ゴーンに引き継ぐまで日産の経営を担った塙義一氏だ。塙氏はカルロス・ゴーンに日産再生の全てを託す決心をした。当時、塙義一65歳、カルロス・ゴーン45歳。ゴーンに全てを委ねる決断をした塙氏が、ゴーンを迎えるにあたり、心血を注いだのは経営の若返りだった。ゴーン就任までに、当時会長の辻義文氏と、副社長6人のうち4人を含め、総勢18人の役員が退任。塙氏を除けば60歳代の役員は消え、役員の平均年齢は54.2歳となった。日本経済新聞社編『ドキュメント日産改革起死回生』には次のようにある。 ▽・・・「ゴーンは自分では意図していなかっただろうが、日産を訪れる前から日産を変え始めていた。45歳という彼の若さがそうさせたのだった。『ゴーンさんたちとの年齢の差はしっかりと意識するべきでしょう』。副社長の澤田は時代が変わりつつあることを認識していた。天才的なエンジニアとして知られた彼も経営の一線を退く覚悟を固めていた。」 ▽・・・改革の妨げとなりがちな「うるさ方の難くせ」に、ゴーンが悩まされることは一切なかった。小泉流に言えば、ゴーンに対する「抵抗勢力」は居なかったということだ。「抵抗勢力」は、ゴーン来日前に塙氏が既に取り除いていた。ゴーンが思う存分手腕を発揮できる舞台を塙氏が整えた時点で、すでに日産復活のシナリオは大きく前進していたと言えるのではないだろうか。 ▽・・・ゴーンは「コストカッター」の異名を持つが、当時、ゴーンの本当の「資質」は彼の「若さ」だったのかもしれない。そして、日産再生を現実のものとした最大の功労者は、ゴーンの資質を「若さ」だと見定め、その資質を十分に発揮できる舞台を作った塙義一氏だったのかもしれない。 ▽・・・「私の内閣の方針に反対する勢力はすべて抵抗勢力だ」と絶叫する小泉も信念の人なのだろうが、静かに、しかし冷徹に、次代のリーダーのために舞台を整えた塙氏にこそ、「リーダーの覚悟」を垣間見る気がする。 次回(3月3日)に続く。 (如空)
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